WORKER DISPATCH LAW 労働派遣法
労働派遣法について
労働派遣法とは
正式名称を「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」といいます。派遣社員の権利を守るために施行された法律です。
労働者派遣とは、自己の雇用する労働者を、その雇用関係の下に、取引先の指揮命令を受けて、その取引先の労働に従事させることをいいます。
派遣のしくみ
1986年7月1日から施行されていますが、2012年10月1日に改正され、法律の目的にも、派遣労働者の保護のための法律であることが明記されました。派遣のしくみとして派遣と請負の違いは、以下のとおりです。
1.派遣契約で就業する方
労働者派遣とは、派遣元事業主が自己の雇用する労働者を、派遣先の指揮命令を受けて、この派遣先での労働に従事することをいいます。
2.請負契約で就業する方
請負とは、労働の結果としての仕事の完成を目的とするもの(民法第632条)であり、労働者派遣との違いは、請負には、取引先と労働者との間に指揮命令関係が生じない点にあります。
2020年度の労働派遣法改正のポイント
同一企業内での雇用形態の違いによる不合理な待遇差をなくすことを目的として、2018年6月29日に成立し、2020年4月1日より全国で施行されております。
働き方改革の柱の一つである雇用形態(正社員と非正社員)の違いによる不合理な待遇差をなくすことを目指し、「同一労働同一賃金」を派遣労働者にも実現するために、法律が整備されたことや企業に対して義務化されたことがあります。
改定のポイントをご紹介いたします。
○不合理な待遇差をなくすための規定の整備
以下の【1】または【2】の待遇決定方式により、構成な待遇を確保する必要があります。
【1】【派遣先均等・均衡方式】派遣先の通常の労働者との均等・均衡待遇
均等待遇とは
「①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲、③その他の事情」を考慮して不合理な待遇差を禁止する、つまりバランスのとれた待遇にしなければならないということ。
逆に言えば、条件の違いに応じた不合理のない待遇差については認めるもの。
均衡待遇とは
「①職務内容、②職務内容・配置の変更範囲」が同じ場合に差別的取り扱いを禁止すること。
条件が同じであれば、待遇を同じにすることを求めるもの。
【2】一定の要件を満たす労使協定による待遇
「労使協定(※1)」を締結することにより、同一労働同一賃金に対応する方式です。
「同種の業務に従事する一般労働者の賃金水準(※2)」以上の賃金にすることを定める労使協定を派遣会社と労働者の代表が結んだうえで、賃金を決めます。
書面の交付等の方法により労働者に周知し、書面を3年間保存することが必要です。
※1 労働者(社員:派遣労働者を含む)の過半数で組織する労働組合(労働組合がないときは社員の過半数を代表する 人)と使用者(企業)との間で締結される書面による協定のこと。 ※2 厚生労働省が毎年6~7月ごろ職種ごとに定める、派遣社員が従事する業務と同種の業務に従事する正社員の平均的 な賃金水準のこと。
○労働者に対する待遇に関する説明義務の強化
非正規雇用労働者は、「正社員との待遇差の内容や理由」など、自身の待遇について事業主に説明を求めることができます。
事業主は、非正規雇用労働者から求めがあった場合は、説明をしなければなりません。
【1】雇入れ時の明示・説明
a ア~オの明示が必要になります。
- ア、昇給の有無
- イ、退職手当の有無
- ウ、賞与の有無
- エ、労使協定の対象となる派遣労働者であるか否か(対象である場合には、労使協定の有効期限の終期)
- オ、派遣労働者から申出を受けた苦情の処理に関する事項
※労働基準法第15条に基づく労働条件の明示も行われます。
b 待遇決定方式に応じてカ~クの説明が必要です。
- カ、派遣先の通常の労働者との間で不合理な待遇差を設けない・差別的取扱いをしない旨
- キ、一定の要件を満たす労使協定に基づき待遇が決定される旨
- ク、賃金の決定に当たって勘案した事項(職務内容、成果、能力、経験など)
【2】派遣時の明示・説明
【1】a のア~エに加え、ケ・コの明示が必要です。(労使協定方式の場合は①のエのみ)
- ケ、賃金(退職手当及び臨時に支払われる賃金を除く)の決定等に関する事項
- コ、休暇に関する事項 ※労働者派遣法第34条第1項に基づく就業条件等の明示も行われます。
b 待遇決定方式に応じて【1】のカ・クの説明が必要です。
【3】派遣労働者の求めに応じた説明
派遣労働者の求めにより、待遇決定方式に応じて次の事項の説明が必要です。
※派遣労働者が説明を求めたことを理由とする不利益取扱いは禁止されています。
【派遣先均等・均衡方式】の場合
◎派遣労働者と比較対象労働者の待遇の相違の内容→ 次の①および②の事項
①待遇の決定に当たって考慮した事項の相違の有無
②待遇の「個別具体的な内容」又は「実施基準」
◎待遇の相違の理由
職務の内容、職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情のうち、待遇の性質及び待遇を行う目的に照らして、待遇差の理由として適切と認められるもの
【労使協定方式】の場合
◎賃金が、次の内容に基づき決定されていること
・派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する一般労働者の平均的な賃金の額と同等以上であるものとして労使協定に定めたもの
・労使協定に定めた公正な評価
◎待遇(賃金等を除く)が派遣元に雇用される通常の労働者(派遣労働者を除く)との間で不合理な相違がなく決定されていること等
※派遣先均等・均衡方式の場合の説明の内容に準じて説明
○すべての労働者派遣事業を許可制への対応
2015年9月(平成27年)の労働者派遣法改正により、一般労働者派遣事業(許可制)/特定労働者派遣事業(届出制)区別は廃止され、すべての労働者派遣事業が許可制となりました。
○労働派遣法に基づく情報提供について
労働者派遣法第23条第5項に基づき、弊社の労働者派遣の実績、派遣労働者数、派遣先数、派遣料金等の労働者派遣事業の状況に関する情報を提供いたします。
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